『水と器』 お客様の来店目的とは?

お客様が飲食店に来る目的は何?

お客様がお店に来る目的、、、

あなたも考えたことはもちろんあるでしょう。


色々な要素があると思います。

ただ細かい事を上げればきりがありませんが、総合して一言で言うとこれです。


『満足して帰る』


このお客様の目的に対して、

私たちはお客様の満足度を高めるために様々なアプローチを仕掛けます。

・料理

・サービス

・価格

・付加価値

様々な工夫をして満足してもらおうと考えますが、

お客様は決してそれらを個別に評価し、足したり平均して考えてはくれません。

大事なのはこの部分で、

「足し算や平均値ではない」ということ。

これらはすべて『掛け算』で考えなければなりません。


どれか一つが0点なら、総合評価も0点なのです。

マイナス点であれば、総合評価はもっと恐ろしいことになります。

例えば、一つでもマイナスがあれば、

例えば、料理に虫が入っていたとします。

すると、今まで美味しく食べてきた料理も、「実はものすごく不衛生な調理場で作られていたのではないか?」

と感じてしまいます。

すると、もっとネガティブな部分が目立ちます。

あの箇所、掃除が行き届いていない。そういえばトイレが汚かった、

スタッフの制服にしわがよっていた、、

普段であれば気付かなかったような細かいマイナス面も見えてきてしまい、

しまいには、過去最悪の店という位置づけにまでなってしまう恐れがあるのです。


また、料理とは五感で味わうものです。
しかしその五感は作る側ではなく、お客様の五感です。


大声で罵声が飛び交う不愉快な空気の中で料理を出されても、味なんてわかるはずもありません。

どんな手の込んだ素晴らしい料理も、

雑に盛られ、投げるように渡されれば価値はありません。


味ばかりにこだわっても、サービスが悪ければすべてが台無しです。


逆に、誠意を尽くした素晴らしいもてなしのサービスでも、腐った料理を出せばすべてが台無しです。
汚い盛り付けで出されただけで、料理そのものが不味くなります。


また、お客様を介しなくても同じような現象は起こります。

例えばカウンターで食べているお客様の目の前で

大将が弟子に恐ろしい剣幕で厳しく怒られていたら、

料理をおいしいと思えるでしょうか。そんな人はいないでしょう。


このようにお客様目線で考え、

『何に対して不愉快に感じるのか』を理解して工夫すれば、お客様の満足度は飛躍的に向上できるのではないかと考えられます。


大事なのは、

『どんな原因がマイナスの評価になっているかをしっかり把握してそのマイナス要因を無くす。』

私たちは水商売をしています。

お客様が「水」だとすれば

私たちはそれを受ける「器」。

その器に穴が開いていたり、ザルであれば何も残りません。

しっかりと穴をふさいで、どんな小さな器でも良いからしっかりと水を張ることが肝心です。