★だまされてるのに”楽しむ”マジックのメカニズム
人はなぜ、マジック(手品)を見て、楽しんだり喜んだりするのでしょう。
「おれはマジックなんて嫌い!種がわからないからイライラする!!」
って方もいるでしょうが、
マジックって、変な言い方したら、
世の中で唯一認められている”人をだます職業”です。
こんな言い方すると、悪者みたいですが、
進んで騙されに来ているのは、お客さんです。
なぜ、成り立つのか?
それは、人間の深層心理に関係します。
人は普段の何気ない日常に刺激を求めています。
びっくりすると、だれでも一瞬、思考が停止します。
いきなり大きな音がしたり、突然電気が切れたり、とか
日常でもたまにある、何気ない”ビックリ”。
これを作り出すのがマジシャンです。
何もないところからハトが出てきたり、
人が切断されているのに、生きている。とか
なぜ、こんなにもマジックを見る人はいても、やる人はいないのでしょう?
それは、安全だからです。
日常のビックリは”恐怖”を感じますが、
マジックとなれば、人はびっくりするのを感じても、その対象は自分ではなくマジシャン本人です。
だから、楽しめるんです。
”自分は安全だから”
ここで、人間の本質が出てきますよね。
マジックに限らずですが、
いかに、自分は安全な場所にいて、かつビックリした”疑似”体験をできるか?
テレビの衝撃おわらい映像でもそうです。自分は安全だから、笑って見られます。(映像の本人は笑えない状況です)
ネットの商材もそうです。いかに自分にリスクなしにお金を稼げるか?
どんなことでもそうですが、
リスクなしに欲しい何かを手に入れるのは、相当時間がかかるし難しいです。
マジシャンは自分を危険にさらすことによって、お客さんを楽しませています。
ショーマジックでは、本当に命かけてますしね。
それでなくても、テーブルマジックでも手品というものは
お客さんにとって、マジックの現象は一瞬です。
本当にビックリ感じるのはその瞬間ですが、
マジシャンはその一瞬のために、ものすごい長い時間を使って練習します。
マジックをする側になればわかりますが、
空間、言葉の選択、タイミング、目の配り方、物の配置、色使いなどなど
マジシャンにとって、お客さんに接しているすべての時間がマジックです。かなり計算されつくしています。
そして、ありえないほどの”時間”というリスクを負って、観客を楽しませることに集中しています。
だから、プロはお金が取れるんです。
「相手のリスクをとって、価値を提供する。その一瞬のために、時間と頭を使い勉強する」
この繰り返しを続ければ、成功しないってことはあり得ません。